Four Diamonds produce & manufacture by Scissors & Nippers ㈱ブルーインク、㈲吉田ハサミ製作所
ここでは、研ぎと言うよりはレストアと言った方が良いかもしれない修理例を紹介します。
シザーメーカーだから出来る技術をご確認ください!!
①神宮前バーバーエイト様からお預かりしたシザー。
以前、粗悪な研ぎをされて、もう使い物にならないと諦めていた物だそうです。
実際、かなり刃をえぐられってしまってますね!
残念な事に、ここまで酷い状態ですとかなりのサイズ変更を伴った研ぎが必要になりますが、復活は可能です!!
オーナーに了解を得ていざ加工作業へ=====333
そして、↓、復活です!!
まず、先端を1インチ約12mmカットします(幅だけ詰めると細くて長いバランスの悪いハサミになってしまいます)。
刃線がそろうように幅もかなり詰めます。
幅が変わった為に裏スキ加工もしてあります(手作業で裏スキの出来る職人は今ではかなり少数です)。
キズや汚れもあったので全身ミラー仕上げに変更。
ヒットポイントやパッキン等も劣化していた為に交換。
使い勝手はかなり変わる為に今までと同じ使用は出来ないと思いますが、細かなカットには最適でしょう。
②渋谷サンクス本店様よりお預かりしたシザー
こちらもかなり使い込まれ、何回も研ぎに出された形跡のあるシザーですね。
やはり、刃がかなり後退して刃角が立ってしまっています。
裏押しもかなりの幅で押されていて、タッチは良いかもしれませんがすぐに切れ味が落ちてしまうようです。
表・裏面ともに刃づちと言うハンマーのキズが酷いですね。傷物にして返却、まして料金を取る業者の神経がわかりません・・・・・?
かなりの作業にはなりますが、ハサミの刃材は良いものでまだまだ使えますよ!
そして、またまた復活!!
まずは、えぐれた刃線を直す為に幅をつめアウトラインを整えます。
そして、鋏の命である裏スキをしなおします。
えぐれた刃は裏が下がっていると言われる状態になります。簡単に言えば刃と刃が合わない状態ですね。
上の写真は裏スキの加工途中です。元々の裏スキが少し下がり気味なのが分かります。
弊社では刃材や形状などによって裏スキの上げ下げ(ひねりと呼ぶメーカーさんもいます)を調節します。
写真でも分かるように、裏押しの幅も少なくなり切れ味が持続するようになります。
次は、例のキズを取りながらハマグリ刃を形成していきます。
かなり深い傷なので、また刃がえぐれないように注意して加工します。
これらの加工は熱によって刃材が痛むのを防ぐ為に、常に冷却しながら行います。
また、大きな加工を行うほど加工熱がかかる為、細心の注意と労力で作業します。
最終的に、タメと呼ばれる動刃と静刃の間のクリアランスの調整、ヒットポイント・パッキンの交換、ネジのクリーニング等を行い、研ぎの完了です。